ラグランスリーブ (らぐらんすりーぶ)
Raglan Sleeve
前後の衿ぐりから脇下へ掛けて切り替えて作る袖で、その肩部分から続く袖。概ね袖ぐりが深く、丸い肩線を作る。
由来は、クリミア戦争(1853〜1856年 英&仏 対 露)中、英軍司令官ラグラン将軍が開発したところから付けられた名前。
特徴
ラグラン・スリーブの理由
運動量を確保する為の構造上の理由
袖ぐりの深さと運動量は、袖山を一定とした場合、反比例するものであり、この通説には間違いか、一部解説が欠けている。仮に、運動量を優先させる場合は、近年流行の袖ぐり(鎌深)の浅いデザインがセットインスリーブ、ラグランスリーブにかかわらず最適である。袖ぐり(鎌深)を深くし、運動量を出す場合、セットインスリーブ、ラグランスリーブに関わらず袖山を低くしなければならない。それでは、袖ぐり(鎌深)を深くし(負傷者の腕が入りやすくする為に開発された)、運動量を出す(合図をするために開発された)には、なぜ、ラグランスリーブが最適だったのだろうか?
- セットインスリーブの場合
- ラグランスリーブの場合
- 同じく袖巾を広げる事になるが、構造上袖下にマチ(ガセット)を付けるのと同じような形状を作る事が出来る。つまり、運動量を出すための分量を脇下と袖の外側に分散出来る事になり、フォルムを崩す事が少ない。
つまり、補足としては、「袖ぐりを深くし、尚且つ運動量を出すのに適したデザインの袖として採用された。」と言う事であろうか。
防水効果を得る為の構造上の理由
雨は通常頭上から降り注ぐ。当たり前のような話だが、嵐の場合は、斜めや横、下からも降り付ける事がある。トレンチ・コートは天候に対応して作られているので、嵐にも考慮されている。しかし、ここでは頭上からの雨を想定してラグラン・スリーブの構造を考察してみる。コートを着用した場合、肩の部分で、最も多く雨を受ける事になる。その場合、
- セットイン・スリーブの場合
- 肩線。肩の接ぎ目からの雨の進入がある
- 肩先、つまり肩の接ぎ目と、袖付けの接ぎ目の線が交差した箇所が、最も雨の進入のウィークポイントとなる。2つの接ぎ目がTの字に交差し、首の側から伝い落ちてくる雨の溜り場になる事になる。
- ラグラン・スリーブの場合
- セットインと同じく、肩の接ぎ目からの雨の進入がある
- 袖付の接ぎ目が肩の接ぎ目と交差する事が無く、袖付は前後身頃に振り分けられている事で、直接の雨の打撃を受けることが無い
- 実際のところ、肩章(エポーレット)や、ケープ・バックにより緩和されるよう処置されている
(2008/02/20)
- ラグラン・スリーブとアクアスキュータムの歴史
- 1851年
-
ジョン・エマリーはロンドンのリージェント・ストリート46-48番地に紳士服店を開店
- 1853年
- 1854年
- クリミア戦争(Crimean War)(ウクライナのクリミア半島)で、アクアスキュータムの防水性のコートが将校達に支持された
- 1897年
-
エドワード(5世)王子からエマリー社(アクアスキュータム)が英国王室御用達の勅許状を賜る
- 1900年代始頃
- エマリー社でラグラン袖をコートに採用
- 1910年頃
- 1919年以降(戦後)
- 1920年(〜1936年)
-
ウィンザー(エドワード8世)公(おしゃれで有名)からエマリー社(アクアスキュータム)英国王室御用達の勅許状を賜る
- 1952年
-
皇太后陛下( エリザベス2世)からもエマリー社(アクアスキュータム)英国王室御用達の勅許状を賜る
- 1990年
- (株)レナウンが買収する
- アクアスキュータムの愛用者 などの著名人が身につけていた
- サイト内関連用語
- 参考写真、イラスト
- オリジナル・ハンガーイラスト
- ウィッキーペディア
- Sakazen Online Shop
- モダンブルー
- MAGAZZINO
- 参考サイト



