ジレ (じれ)
Gilet(仏)
丈の短い袖無の装飾用胴衣。
18世紀に、ベストよりも装飾性が低く、前面にのみ高価な布を用いた胴衣として着用され始めた、今日のチョッキの始まりとされるフランス語。
英語のウエストコート(Waistcoat)、米語のベスト(Vest)、日本語のチョッキと同義語。18世紀頃にアビアラ・フランセーズの中に着用する胴衣として登場した中衣。ベストは歴史がもう少し古く、装飾性が高かった。そのベストに変って着用されたのがジレである。また、フランス語のベスト(Veste)はジャケットの意味を含むためフランスでは今もジレと呼ばれている。しかし、ジレにはカーディガン、シャツ、肌着などの意味も含まれるため、チョッキやベスト、ウエストコート等よりも広い意味の認識がある。そのため、アイテムとしては曖昧になりがちである。今回、注目されジレと呼称されたのは、パリ・コレクションの報道から始ったのが大きな要因と思われる。ジレをコーディネイトして発表されるのは、一定の周期がある。ストリートでも「父のベストを拝借して」として流行する事も多い。コーディネイトを楽しむためには最適なアイテムと言える。
- ジレの歴史
フラック・アビエ(Frac Habille)
コートの前を裁ち落とす試みは、ジェストコールにおいても見られました。そして、このたびは、たんに表着を変形しただけでなく、胴衣も変え、フラックに対応する胴衣としてジレという、今日のチョッキが用いられました。ジレは、前を美しい布で飾り、見えないところは粗末な布を使っていました。フラック、ジレ、キュロットの組み合わせの衣服は、ルイ16世のときフラック・アビエ(Frac Habille)と称されて、19世紀にいたるまで上流社会の公服として使用されました。
西洋服飾史
映画「ゴッドファーザー」に観るイタリア風ジレの着こなし
ゴッドファーザーである父の暗殺を謀ったニューヨークの悪徳警部と、麻薬の元締めを殺害したマイク。難を逃れるために、シシリー島に移り住む。
シシリー島で過ごす数年にマイクはドンとしての大人への成長を遂げる。アイビールックのスタイルから、戦後流行したボールド・ルック・スタイルへと衣装も変る。
コルネオーニ村に向かうマイクは当時のカジュアル・スタイルである、ネック・バンド・シャツとウエスト・コート(ジレ)。そして、ハンティングを装っての護衛であるからかも知れないが、ハンティング・キャップ姿で、可愛いアポロニアに出会う。ペンシル・ストライプの前身頃と、後は裏地を使ったウエスト・コートだ。三つ揃いのスーツの中にも着用するが、このように合わせるとまた一味違う。当時の紳士のカジュアル・スタイルはバリエーションが少なく、やはりルールも多くあったのだろう。
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アラン・フラッサー
(著) 片岡 しのぶ
(訳) 平凡社
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丹野 郁
(著) 東京堂出版
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- 72-page 42 イギリス製ベスト(メトロポリタン博物館)
- 72-page 42 イタリア製ベスト(メトロポリタン博物館)
- 72-page 43 フランス製ジレ(メトロポリタン博物館)
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