先染め (さきそめ、さきぞめ)
Stock Dyeing
後染めと先染め
アパレル業界では一般的に、ピースダイと呼称される、後染め、反染めの事。織物染色のリスクを軽減し、小さなロットへの対応策と考えられている。生機で生地を経済ロット(約1,000M)で織り上げて在庫し、後に注文に合わせて反物単位で染め上げる方法。これに対して、先染めは、糸の段階、あるいはワタの状態で染め、織り上げて行く生産形態。こちらは、経済ロットに満たない場合、不足分の手間賃を織り上げた生地メーター数に加算する事になり高価な物になる事が多い。それを避ける為に経済ロットで織り上げた場合、売れなかった場合のリスクを持つ事になり、それを見越して価格が設定される事が多い為同様に高価なものとなる。しかし、発色性の面、強度、耐久性の面では、ピースダイに比べて先染めの方が優れており、色に奥行きと優れた質感と柔軟性が顕れ、生地として非常に高級感がある。
ファッションは色との戦いであると言っても過言ではない。その為、アパレル業界では、ピースダイが一般的な生地(無地)の染色方法で、先染めは、ストライプやチェック等の意匠性の高い物に用いられるのが殆どである。単色の生地(無地)には先染めの糸を使うのは「ばかげた事だ」と考えられている。流行のスピードの速さが増した近年には余計にその傾向がある。リスク回避はビジネスの鉄則であるが、消費者の立場になって、改めて考えてみると、それらの事は知りたいし、仮に知った場合より優れた物が欲しくなるのは当然の反応だろう。しかし、それを誰も理解して貰おうともせず、理解しようともしない現状では、それらの事はこれから先も無視され続けていくだろう。つまり、無地物(単色で染められた生地)は品質的に劣っていて、価格も安いと言っても言い過ぎではないだろう。
しかし、上記の事情は日本国内においての話である。世界をマーケットとした場合、ロットの問題は簡単にクリアー出来る。その為、プルミエール等の世界規模の展示会に出品し販売を行っている生地メーカーの取り扱う無地物については、国内の常識は当てはまらない。優れた生地を多く排出するイタリアでは、無地に対する考え方も違っており、「無地のブルー」は現在でも基本中の基本として弁別閾も高いといわれている。これは、インポート素材がいいと言われる理由の一つである。日本は、これを文化の違い、歴史の違いとして、何時まで弁解し続けるのだろうか。
もちろんピースダイには利点もある。その一つが経済的な効果効率だが、批判的に書いてしまったものの実質的には大きな利点である。他の利点も、言ってみれば「短所が長所である」と言われような事で、生機で織り上げられた生地に染色を行う為に、薬品によりいくらか生地が傷つく事になる。その為、意図しなかったような柔軟効果が得られる。また、染色の仕方によりその特徴を更に生かすことも出来る。近年では柔軟剤などの開発も進んでおり、染色工程の中で常識的に用いられている事から、ソフトなタッチに仕上げる事も出来る。染色、加工の成果ではあるが、優れた肌触りと質感も期待できると言えるだろう。これは、人間の知恵、化学の成果と言えるだろう。また、染料染めのみでなく顔料による染色でビンテージ風の味のある色合いを出すことも出来る。他に、二浴染め等による染め分けも計画的に行える。
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2007/06/10記載 2008/10/20追記
サーモゾル法 (さーもぞるほう)
thermosol process
染液をパッドし、乾燥後、高温で乾熱処理して行うポリエステル繊維織物などの連続染色方法
さし色 (さししき)
模様染め、特に手がき染めのときに模様の一部に彩色を施したときの色
酸蒸熱 (さんじょうねつ)
acid steaming
酸を含んだ蒸気で蒸熱すること
酸洗い (さんあらい)
scouring
精錬又は漂白後うすい酸液で処理すること
酸化染料 (さんかせんりょう)
oxidation dye
アニリンブラックのように酸化剤により繊維上で酸化発色する染料
酸化抜染 (さんかばっせん)
oxidation discharge printing
酸化剤による抜染
酸化漂白 (さんかひょうはく)
oxidation bleaching
酸化剤による漂白
酸性ミリング染料 (さんせいみりんぐせんりょう)
acid milling dye
縮充などに対して堅ろうな一種の酸性染料
酸性染料 (さんせいせんりょう)
acid dye
酸性浴で羊毛・絹・ナイロンなどに染着性を持ち、セルロース繊維にはほとんど染着性のないアニオン性染料
酸性媒染染料 (さんせいしょくばいせんりょう)
羊毛などを主としてアフタクロム法により染色することのできる染料。クロム染料ともいう
サンフォライズ加工 (さんふぉらいずかこう)
Sanforised
防縮加工の一種。
麻、綿、麻綿混紡糸に施す物理的な防縮加工。
通常機織機は経糸を張った後に、横糸をシャトルによって織り込んでいくが、経糸の緊張が激しく織り上がった後に経て方向に縮む事が多い。 その為、糸の段階で先に機械的な縮みを加えておく方法である。
元々は、アメリカのシャツ(アロー社)生地用に開発された加工法であるが、現在では、デニム、下着、その他、綿、 麻素材にほぼ用いられている。
1928年。サンフォード・L・クルーエット(クルエット・ピーボディー社役員)が発明した加工法。名前の由来は、発明者の名前から取られたものである。 レストランのテーブル・クロスに思いついた加工法を書き込んでしまったが、それを、特許新案の先願の事実の証拠とした事が有名な話である。
- サイト内関連用語
- 参考書籍 専門関連書籍
- ジーンズ ハンド ブック(ジーンズ専門知識の宝庫) 繊維流通研究会 発行
- 完本 ブルー・ジーンズ
出石尚三
(著) 新潮社
(発行)

- 参考写真
- 発明者 サンフォード・L・クルエット氏
- ジーンズ ハンド ブック 繊維流通研究会 発行

