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アイロン -Iron- 縫製用語

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直本工業 ハイスチームアイロン HYS-520

アイロン (あいろん)

Iron

 洋裁(縫製)道具の一つで、生地に熱と圧力(と水分)を加え立体的に、あるいは折りつぶすなどし、意図した形状に変化させる道具。

洋裁(縫製)道具とアイロン

「洋裁の実技全書」から アイロン

 アイロンは洋裁には無くてはならない道具の一つです。余りに必然すぎて説明にも骨がおれます。「洋裁の実技全書」では、冒頭からアイロンの解説で始ります。

 服を作る段階で、アイロンが占める比重は大変大きいものです。縫うという仕事は、ただ縫いつなげるだけではなく、縫いながら形を作っていくのがその目的です。そのためには、アイロンが重大な役割をするからです。
 アイロンを選ぶときは、構造が簡単で、適当な重量を持ったものを選ぶようにします。やたらと複雑な装置をもったものは、服作りには不向きですから、さけるようにします。
 また、その目的によっていろいろに使い分けがあります。本文と併読してその要点を習得して、頂きたいと思います。

洋裁の実技全書」 大石真一(著) 文化出版局 (発行)書籍レビュー

Yahoo オークションから 炭火アイロン

アイロンの使用目的

洋裁(縫製)のアイロンの比重の高さ

 縫製、あるいは洋裁とはミシンで縫う事を主目的とした言葉のように解釈するが、実際にはアイロン、プレス工程が多く、それが、非常に重要であることを多くの方々が異口同音におっしゃっている。中でも、紳士服に至っては、服の良し悪しを決める最大の要素であるとまで言われる。下記に、服部晋の「洋服の話」 服部 晋(著)からの引用を掲載する。

どれだけアイロンをかけたかで仕事の良し悪しがきまる

(前略)
服部晋の「洋服の話」  何度も申しましたように、私は、「くせとり」を最も重要なものと考えていますので、本縫いをしながらでも何度もくせとりをするのです。つまり、アイロンを当てている時間がやたらに長いのです。これも父から受け継いだやりかたでして、父は「仕事の良し悪しは、どの位アイロンに時間をかけたかで決まる」とよく言っていましたし、実際に仕事をしてみると本当にその通りなのです。私共の言葉に「コテの利いた仕事」というのがあります。コテ、つまりアイロンを利かせるには時間が必要ですが、これが私の目標としている仕事のやり方なのです。ですから何度か申しましたように、良い仕事とはアイロン作業の時間を掛けた仕事、とあえて申し上げます。現代流に機械を多用し、プレス機で仕上げをするのは、それはそれで、一つの立派なやり方ですが、ハンドアイロンによる仕事とは別の生き方だと思います。ハンドメイド、という言葉は、ことにようるとハンドアイロンの仕事の事を言っているのかな?と思ったりします。
(後略)

服部晋の「洋服の話」 服部 晋(著) 小学館(発行)92,93-Page からFashion-Heart 書籍レビュー

洋裁の為の道具

/アイロン/まんじゅう/袖まんじゅう/鉄まん/ハサミ/ものさし/重し/チョーク/ルレット/目打ち/糊べら/糊板/水はけ/当布/のみ/はと目/毛抜き/へら/指ぬき/針/ミシン/

2008/11/20
火熨斗 写真提供:上田市立博物館
火熨斗 写真提供:上田市立博物館
    アイロンの歴史
    • 紀元前2000年頃
      1. アイロンの原型があったという説がある(詳細は不明)
    • 紀元前1世紀ごろ (中国)
      1. 最古のアイロン
        • 金属性の鍋に火の付いた木炭を入れて加熱し、鍋の底で布を滑らかにした
    • 時代は未定 古代から (日本)
      1. 火桶に木柄のついた火熨斗(ひのし)が使われていた
        • (時代は特定出来ないが、古代から近代まで殆ど同形のものが使用されていた。江戸中期に「笹鏝(ささごて)」「炭火アイロン」が顕れるとともに廃れていった。)
      16世紀 柄付の鏝 西洋服飾史 図説編 丹野 郁(著)(Norris著から)
      16世紀 柄付の鏝
      西洋服飾史 図説編 丹野 郁(著)(Norris著から)
    • 16世紀 (ヨーロッパ)
      1. 柄付の鏝
        • 衿襞(ひだ、ラフ(raff))を折るために作られた
    • 17世紀頃
      1. 鋳鉄製の塊を3角形にし、取手を付けたものを炎で加熱して使用するもの
      2. 鉄製の枡に火の付いた石炭を入れて使用するもの
    • 18世紀初期 (日本 江戸時代中期)
      1. 笹鏝(ささごて) 
        • 笹の葉の形の金属板に柄を付けた物。これは、常温で使われたか、熱して使われたものであろう。着物の折り目を付けたり、しわを伸ばしたりしたものである。焼き篦(へら)は、革製品に使われた。(参照 鏝(こて)
        火アイロン 写真提供:上田市立博物館
        火アイロン 写真提供:上田市立博物館
      2. 炭火アイロン 
        • 金属製の容器に炭火を入れ、この熱と容器の重みで布の皺をのばすもの
    • 1752年 6月
      1. ベンジャミン・フランクリン 電気を発見
        • 凧を揚げて、稲妻が電気現象であることを発見
    • 1799年
      1. ボルタ 電池を発見
        • 2種類の金属に湿った布を組み合わせた電池で、 安定な電源が得られ急速な発展のきっかけとなった
    • 1820年
      1. エルステッド 電流の磁気作用)を発見
        • 電流を流した針金の近くに置いてあった方位磁石が電流に反応することを見つける
    • 1831年
      1. ファラディ 電磁誘導の法則を発見
        • コイルの中で磁石を動かすと、コイルの中の磁気が変化することによって電流が流れる事を発見
    • 1832年
      1. ピクシイ(Hippolyte Pixii) 発電機(Pixii dynamo ピクシイダイナモ)を発明
        • ファラディの電磁誘導の原理を使った最初の発電機(Pixii dynamo ピクシイダイナモ)を発明した
    • 19世紀中頃 (イギリス炭鉱地帯)
      • 鉄の厚板に取っ手を付けた形状の現在の形の物が現れた
    • 1866年
      1. シーメンス(Werner von Siemens) ダイナモ方式(dynamo-electric principle)を発表
        • 永久磁石の替わりに強力な電磁石を使用した発電機が作られるようになりましたが、そのためには、で電磁石に電気を供給するためのバッテリーが必要でしたが、このバッテリーをなくして、電磁石に残っている僅かな磁気を利用して発電し、その電気を電磁石に供給するダイナモ方式の発電機を発表し、実用的な発電機のモデルとなった
    • 1869年
      1. グラム(Zenobe Theopile Gramme)はダイナモ方式による実用的なグラム発電機(Gramme dynamo)を発明
    • 明治時代
      1. イギリスから炭火アイロンが輸入された。(日本)
    • 1871年
      1. グラムは発生電圧を高く(約200ボルト)した実用モデルを発表
        • 更に改良が重ねられアークランプ点灯の事業に使用
    • 1881年
      1. シーメンス(Siemens )は水車で駆動する交流発電機(Alternator)
        • 英国のゴッダルミング(Godalming, United Kingdom)の街灯を点灯しました。これが交流で電灯を点灯した最初
    • 1882年6月6日
      1. ヘンリーシイリー(Henry W. Seely) 電気アイロンの特許(259054)を取得
        • 炭素棒に電気を流して発生する熱(抵抗加熱)を利用したもの。温度の調整が出来ない。火を使わないことから評判に
    • 1892年4月26日
      1. サラ・ボーン(Sarah Boone) 据え置き型のアイロン台(ズボンをプレスするもの)の特許(473653)を取得
        • 基板とホットプレート
          1. 初期のホットプレートは炭素アークで加熱
          2. 後に抵抗加熱が採用
          3. その後、加熱温度はサーモスタット(thermostat)で調節
      16世紀 ラフを作る様子
      西洋服飾史 図説編 丹野 郁(著)
      (Norris著から)
    • 1905年
      1. エール・リチャードソン(Earl Richardson)
        • 実用的な軽量の電気アイロンが開発、「hot point」の商標で販売が開始
    • 1906年
      1. アルバート・マーシュ(Albert Leroy Marsh)はニクロム線を発明 
        • 電気で加熱する電気アイロンに広く使用されるように
    • 1914年
      1. 日本に初めて電気アイロンが輸入された。(日本)
    • 1927年
      1. サイレックス社(Silex Company)
        • 衣類の材質に適した温度に設定できるアイロンの販売を開始
      2. Panasonic 第一号 スーパー・アイロン
        • この頃、開発された国産のアイロンは、5円(小学校の先生の初任給50円)だったが、ナショナルは3円20銭で販売した。
    • 1931年
      1. Panasonic 4ポンド自動アイロン
        • サーモスタット付き自動アイロンを開発。4ポンド=約1.8kg
    • 1936年
      1. 米国スチームエレクトリック(Steem-Electric)社から実用的なスチームアイロンが発売
    • 1939年
      1. (Edward P.Schreyer)によってサーモスタットを装備したスチームアイロンの特許( 2178512-1939-10-31)が取得
    • 1941年
      1. サーモスタットを装備したスチームアイロンが「Steam-O-Matic」のブランドネームで発売
        1. スチームアイロンの機械部分は(Edward P.Schreyer 2178512-1939-10-31)
        2. 外観は(Brook Stevens )によって設計
          1. 湯沸型をしていて、内部で蒸気を作って底板の穴から蒸気を噴出させるもの
          2. すぐにドライアイロンに切り替えることが出来ない
      2. 温度設定変更型電気アイロンの特許(James J. Gough,2235479,1941-3-18,electric iron ,app1940-2-7,Cicago electric manufacturing Company)が取得され量産を開始
    • 1953年
      1. ドリップ方式のスチームアイロンが英国のフーバ社(The Hoover Company)から発売
    • 1954年
      1. Panasonic スーパースチームアイロン発売
        • 霧吹きの要らない滴下式スチームアイロンを開発。3,950円。

 アイロンの歴史は古く、燃料となる熱源によって種類も多彩であった。また、繊維の種類の違いにより、水分(水蒸気)を必要とする物と、熱のみが必要な物とがあり、その産地地域による発展に違いがあった。

2008/11/20
2006/12/20記載 2008/11/20追記

日本語 (にほんご)

英語

本文、意味

備考
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